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東京国際アニメフェア2009『戦場のヴァルキュリア』スペシャルステージレポート

3月20日、「東京国際アニメフェア2009」パブリックデー初日のステージIIにて、TVアニメ『戦場のヴァルキュリア』のスペシャルステージが開催された。このステージには、山本靖貴監督、アリシア・メルキオット役の井上麻里奈さん、イサラ・ギュンター役の桑島法子さん、マクシミリアン役の福山潤さん、セルベリア・ブレス役の大原さやかさん、そしてオープニングテーマを歌うHIMEKAさんが登壇。楽しいトークや熱いライブで、集まった会場のファンを沸かせた。

イベントは、ウェルキン・ギュンター役の千葉進歩さんとファルディオ・ランツァート役の櫻井孝宏さんのビデオメッセージよりスタート。TVアニメ化に対する喜びと期待を込めたコメントを、時折笑いを交えながら客席に届け会場の気持ちを高めると、いよいよステージ上には、山本監督と4名のキャスト陣が登場。

まずは山本監督より、順調に進んでいるという制作の状況と、現場の様子が語られた。
「ウェルキンは、千葉進歩さんが役にとてもハマっていて、千葉さんからヒントを得て、キャラクターづくりに活かしていこうと思うくらい。アリシアの性格も井上さんとシンクロしていていい感じになっています」(山本監督)

それを受けて各キャストは、演じるキャラクターの印象について紹介。
「アリシアはパン屋さんを目指す普通の女の子でしたが、戦争が始まると大好きな街を守るために自警団に入団します。その中でウェルキンと出会い、スパイ疑惑を持ったりしつつも、次第にウェルキンに惹かれていきます」(井上さん)
「イサラはウェルキンの義理の妹にあたるんですが、イサラの父とウェルキンの父が親友だったため、イサラの父が亡くなった時に、ウェルキンの父に引き取られます。その後、父の残したエーデルワイス号という戦車に乗り、信頼する兄・ウェルキンとともに戦いに出る勇ましい女の子です」(桑島さん)
「マクシミリアンは帝国のガリア方面軍の総司令官で、準皇太子という身分のキャラクターです。キレ者で部下も手錬の精鋭ぞろい、彼らを御する有能な軍人です」(福山さん)
「セルベリアはマクシミリアンの部下で、グレゴールとイェーガーとともに三重臣として仕えています。見た目はクールビューティで、感情の機微はあまり表に出しません。何を考えているのか分からないところはありますが、マクシミリアンに対する忠誠は誰にも負けません」(大原さん)

続いて、アニメならではの魅力について山本監督が
「大まかな設定はゲームの世界観を大事にしていますが、アニメオリジナルの展開も仕込んでいます。本作品では、キャラクターそれぞれのドラマ性を重視しており、恋愛要素もあり、敵味方の葛藤もありと、熱い見所がたくさん盛り込まれています」
と語ると、本邦初公開となるTVアニメ『戦場のヴァルキュリア』プロモーション映像が会場の特設スクリーンに上映された。キャストも初めて見るというこの映像に、会場の視線はしばし釘づけに――。

PV上映が終わると、オープニングテーマを歌うアーティスト、HIMEKAさんが登場。カナダ出身のHIMEKAさんだが、まずは流暢な日本語による挨拶で客席を驚かせた。
「みんなの前で歌うことができるのはとても嬉しいです。今日初めてみんなの前で『明日へのキズナ』歌うので緊張していますが頑張ります」とコメントすると、さっそく「明日へのキズナ」をフルコーラスで熱唱。歌ももちろん日本語の歌詞。HIMEKAさんの素晴らしい歌声は、会場に興奮と感嘆をもたらし、出演者からも絶賛の言葉がかけられた。
ライブの後、ステージではさらに、エンディングテーマ「アノ風ニノッテ」を歌うpe'zmokuさんからのビデオメッセージも上映された。

楽しいひとときもあっという間。最後は出演者一同から会場に、一言ずつメッセージが届けられた。
「ゲームの時からこの作品が大好きで、アニメ化になったらいいですねと話していました。それがこうして現実となり、夢が叶ったことが嬉しいです。アリシアというキャラクターには特に思い入れがありますので、また演じられることをとても幸せに思います。アフレコも順調です。ゲームファンの方からこれから初めてご覧になる方まで、みなさんに楽しんでいただける作品になると思っています。最後まで応援よろしくお願いします」(井上さん)
「ウェルキンとアリシアの掛け合いは見ていて本当にほのぼのとします。妹として温かく見守っていきたいと思います。ゲームの時から好きだった作品がこうしてアニメ化されることは嬉しいです。ぜひみなさんに見ていただきたいと思っています」(桑島さん)
「ゲームの収録は1人でやらせていただいたのですが、アニメになると、皆さんと一堂に会してアフレコを行ないます。部下(の役)には大塚周夫さん、大塚明夫さん、そして大原さやかさんがいらっしゃって、強豪揃いです。特に大原さんについてはこれまで役柄上で立場が下になることが多かったので、ニヤりとしながらも今回、どちらが上なのかハッキリとさせたいと思います(笑)。気合がめちゃめちゃ入っているので、どうかオンエアを楽しみに待っていてください」(福山さん)
「私も負けません(笑)。ゲームの時からアニメになることを楽しみにしていたので、今ワクワクしながらアフレコに参加しています。帝国軍側はまだ1回しかアフレコに参加していないのですが、これからもっともっと侵略していきたいです。頑張ります」(大原さん)
「「明日へのキズナ」のシングルは5月27日にリリースされます。主題歌のほうもぜひ聴いてください」(HIMEKAさん)
「アニメの方ではキャラクターたちの意外な一面が見られると思います。アフレコでもキャストのみなさんから、その意外な展開に驚きの声があがっています。みなさんにも、TVの前でぜひ楽しん見てください」(山本監督)

こうして、「もっと作品のことを知りたい」「まだまだトークを聴きたい」と名残を惜しむ会場の声を後に『戦場のヴァルキュリア』スペシャルステージはエンディングを迎えた。

豪華キャスト陣による熱演、耳に残る主題歌、そしてクオリティーの高い映像…と、TVアニメへの期待は高まる一方だ。オンエアは始まったばかり。9月末までしっかり注目しておきたい。